シンデレラストーリー
一つの机を囲んで、向こう側にお父さん、お母さん。そしてその反対側に私と和が座っていて、テレビの前のソファーにはお兄ちゃんの湊(みなと)が座っている。本当に結婚の挨拶見たいだけど、会話はというと………

「楓が芸能人!!いいじゃないか!」

「いれてどうぞ?」

「よかったです。」

「これで昼間でも楓が見れるじゃないか(笑)」

『…』

和が私のこと話したんだけど、反対することなく、本人の承諾なしに勝手に話を進めている。

「楓、芸能人なるんだったら芸能人のサイン貰ってきて〜」

『湊は黙ってろ♪』

お父さんはいつまでも子離れしてないから、反対するのかと思いきや昼間でも見れるからって…お母さんはお父さんに乗っかって賛成してるだけ…湊はサイン貰って友達に自慢したいだけ。

「じゃあ、早速明日にでも事務所に…」

明日?
明日はテストだよ!!

『和ッ!!明日テストだから無理だぁ…』

というとその言葉に過敏に反応した人が…

「あら、いつの間にそんな仲に…?」

お母さん…、子離れしてないお父さんの前でそんなことは言わないでほしいかな?

「できてんじゃねーの?」

「ナヌッ?!美咲さーん(泣)楓が、楓が、ふつつか者に…(泣)」

さらに湊の一言でお父さんが壊れた。

『できてないから。』

「お父さん、私がいるじゃない?」

「美咲さーーん(泣)」

そんな茶番劇も終わり、私はとりあえずは学校に行って、明後日に事務所にいくことになった。
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