キラキラ☆サン ビーチ
「はい、どーそ。
俺の奢りだからありがたく飲めよ」



桐谷の手から渡された冷たいお茶。


あの蒸し暑い体育館に缶詰めにされていたあたしの体が指先からゆっくり冷やされていく。


自動販売機からそう離れていないベンチを見つけ、そこに腰をおろした。



「あいつらさ、悪いやつじゃないから」


「ん、わかってる」


そんなの、みんながプレーしている姿を見れば一目瞭然。


目がキラキラしていてみんなバスケに夢中。



「たぶんまだ“マネージャー”ってのに慣れていないんだと思う。
あいつらも愛川がマネやってくれるって聞いて喜んでいたから」



喜んでくれたの?
こんなあたしに……


マネージャーなんて初めて。


夏休み前に軽く桐谷からマネージャーの仕事について説明されただけで……部員の人との顔合わせは今朝が初めて。


それに仕事も今日が初めて。








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