明日への扉
ほぼ全員の役割が決まり、ホームルーム終了。



加奈も美穂も、体育祭の競技に出るみたいだ。




「びっくりしたよー! 希が、走る方に出るなんて。」



美穂が、目を丸くしてる。



「だって文化祭の準備、大変じゃん。部活もあるし。体育祭は、その時走るだけで良いんでしょ? そっちが簡単だよ。」



そう言うと、美穂はククッと笑った。




「…なんで笑ってんの?」



「いや… 希、変わったなーって。 中学の時だったら、文化祭の準備を黙々と、やってたと思うよ。」




「…そう?」






そう言われれば、そうかも。



中学生の時なら、ビリになるのを見られるくらいなら、黙々とやる作業をやってたと思う。



でも今は、例えビリでも一瞬で終われば、その方が面倒臭くないと思う。




ビリは、慣れてるしね。




「確かに… 変わったかもね。」




自分でも可笑しくなってきて、美穂と一緒に笑った。







< 125 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop