明日への扉
「せっかく、ここまで頑張ったんだからさ。もうちょっと続けてみたら?」







えっ?



予想もしてなかった部長の言葉に、思わず顔を上げた。




万年補欠の私の退部なんて、アッサリ承諾されるものだと思ってた。




「でも…私…上手くないし。 いてもいなくても…」



「そんな事ないよ! 最初は、腹筋50回出来なかったのが、今は出来るじゃん。希も進歩してるよ! もうちょっと、頑張ろうよ!」



副部長に肩をポンと叩かれるのと同時に、涙が溢れた。






私なんかを引き留めてくれるなんて…




思わなかったよ。







「続ける?」



もらい泣きしてしまった先輩が、私の顔をのぞきこんだ。







「はい… もう少し頑張ってみます。」





数時間前は



自分の口から、こんなセリフを言うとは思っていなかった。









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