明日への扉
それから数週間過ぎた、ある日の休み時間。




私は、辞書を必死にめくっていた。




「どしたの? 顔が必死だよ。」



加奈が覗きこんでくる。




「この前さ、次はこの列に英文読ませるって、英語の先生言ったじゃん。 予習してないよー!」




「確かに言ってた。あの先生、有言実行だからね。ま、頑張って〜」



関係ない加奈は、トイレへ行った。




薄情ものー! 加奈の時、助けてあげないからね!!









『ポトッ』





ノートの上に、何か落ちてきた。




辞書から目線だけ上げると…




「…あっ…」




そこには、四つ葉のクローバーが一枚。




顔を上げて教室の中を見渡すけど、私に関心のあるような、それらしき人はいない。





窓から顔を出して、廊下を見渡すと、男子が一人遠ざかって行くのが見えた。







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