ベイスボール
佐野千佳子という1人の球児
7年前。


「佐野千佳子です!!中学時代はクラブチームでピッチャーをしてました。宜しくお願いします!!」

千佳子は硬式野球部の門を叩いた。


しかし、女子が男子と同じ練習をこなすには限界があった。


ランニングはいつも後ろを走り、バッティングは内野の頭を越えない。


自信のあったピッチングも悉く打ち返された。


入部して一週間。佐野は監督に呼ばれた。


「佐野、選手を辞めてマネージャーにならないか?」


千佳子が最も恐れていた宣告だった。


「嫌です‥。」


千佳子は監督にそう告げた。


千佳子は高校での練習が終わった後に前に所属していたクラブチームの練習にも顔を出した。


それでも男子との差は縮まらなかった。


そして最悪な事態が起きた。
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