【実話】星になったキミへ

魔の手

それから一週間後、また男は来店した。



やはり、指名は私だ。



私は、内心、



゙もう会いたくないな…″


と、思っていた。



゙DRUGはもうしない。″



と、心に決めていた。



でも、誘われたら、誘惑に勝つ自信がなかった。



医師から処方される薬はまだいい。



『必要』



として出されるから。



でも、違法物は別だ。




性格上、違法物に手を出すと脱け出せないコトはわかっていた。



だから、これまで、する機会はあったけど、避けてきたんだ。



薬中なのに、この上DRUGなんてやったら、シャレになんない。



横で男は平然と、パイプに葉っぱを詰めている。



「今日もやるでしょ??」



男の誘いに私は、



「いえ、今日はしません。っていうか、もう二度としません。」



私の強い口調に男は、



「おー。強気やなぁ。強く言うトコ見ると、逆にしたいんやろ?」



「……っ!そんなコトないです!!」



「別にいーやん。誰にも言わへんし。」



「いえ、ホントにもういいんです。すいません。」



ペコッとお辞儀をすると、


「あーあ。1人はつまらへんわぁ。」



「すいません。」



そう言うしかなかった。




「……………そのお辞儀に免じて、今日だけは許したるわ。」



そう言うと、男は1人で始めた。


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