【実話】星になったキミへ
私が飲んでいる薬の処方を見て、赤池先生は、



「あり得ない!こんな出し方する病院があるんですか!?このまま飲んでたら、廃人になってたよ!」



と、言っていた。



゙廃人でも何でもいい。考えなくて済むのなら。″



しばらくは、私は観察室に入っていた。



5日間、薬を抜くために点滴をが行われた。



意識はなかった。



私が意識を取り戻すと、母がお見舞いにやって来た。


手には、何やら箱を抱えている。



薬を抜いたせいか、頭がスッキリしている。



「りんちゃん。どう??体調は?」



「うん。大分いい。……ゴメンね。健斗は??」



「毎日、元気に保育園に行ってるわよ。」



そう言うと、母はヒヨコのアルバムを出してきた。


「何コレ??」



「健斗の写真よ。保育園で貰ったの。」



私はアルバムを見ると、



「健斗……。」



涙がこぼれた。



こんなダメなママでゴメンね…。



健斗、大きくなったね…。


健斗のコトがいとおしい。


「お母さん、健斗を抱きたいよ。連れて来てよ。」



「まだ、ダメです。ここには連れてきません。りんちゃんが退院したら、会えるんだから。」



「健斗、今何ヵ月だっけ??」


「一歳六ヶ月よ。」



「そっか。おっきくなってるだろうね…。」



母親はダメでも子供は育つ。



でも、健斗に恥じない生き方がしたかった。



顔向けできないコトはしたくない。



私はだんだんと、正常な思考回路を取り戻しつつあった。


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