メイキングオブ宇宙人
ロイズが声を掛けたのには、訳があった。
3日間のプログラム通りに進行したのだが、隊長はロイズの思いのほか覚醒が進んでいたのだ。
そのため、自らの意思で制御しきれず、彼の体は目まぐるしく変体を繰り返したのだ。
しかし、監視カメラのモニターを見ていたロイズが、停めようとすると、隊長は自力で自我を取り戻し、客観的に隊長の体を保っていた。
それほど、隊長が生まれてからの経験の中で、強い精神力が養われていたのだ。
「地球は彼が言うよりも、恐ろしいところなのかも知れないな……」
隊長の後ろ姿を見ながら、ロイズが小さく呟いた