例えば、それが奇跡なら…
柚葉は無意識に窓を開けて身をのりだした。

「……よ〜!!」

よく聞こえなかったので、耳を澄ました。

「おはよ〜〜!!」

男はそう言うと新聞を抱えて売店に向かって歩いて言った。

「お、おはよう‥。」

柚葉は聞こえないのは分かっていたけど、挨拶を返した。

窓にボーと立ち尽くしながら、もう一度言った。

「お、おはよ‥。」

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