例えば、それが奇跡なら…
その時、看護婦の紗英が入ってきた。

「真田さん、おはようございます。」

母親は紗英にすぐに礼を言った。

「すいません、うちの子が。キーホルダーをいただいたようで…。すいません。」

「いいんですよぉ〜。私のクイズに答えたんだし。柚葉ちゃん、妹みたいでかわいいから‥。」

「すいません。ご迷惑おかけして‥。」

「迷惑だなんて!お母さん、やめて下さいよ〜。」

紗英はそう言いながら柚葉に薬を渡した。

「柚葉ちゃん、今日から三回その薬を飲むようにね。」

< 87 / 158 >

この作品をシェア

pagetop