蜜愛
“ツギハ ドウサレタイノ?”

――もっと何か言ってほしい。

いやらしい事。

私が私でなくなってしまう、いやらしい言葉をちょうだい……



私は、聞こえるはずのない匡哉の声に耳を傾けた。

――すると。



“愛してる”



あの日、聞き流していたそんな言葉が頭の中で聞こえてきた時。


私は自分の指で、間違いなく

絶頂を迎えても、尚。

彼のその言葉に酔いしれて立つ気力もなく、

そのまま指を引き抜くこともせずに


――私も、愛してる。


そう声に出して言ってみたら。

お湯とは違う性質のヌルっとしたものが湯船に溶け出した。


< 161 / 421 >

この作品をシェア

pagetop