蜜愛

『そうなんだ。じゃあおんなじだね』

わたしがそう言うと、

『おんなじなのかなぁ』

と言ったきり、タバコに火をつけて、しゃがんだまま動かなくなってしまった。

わたしは、あんまりおじさんが寂しそうにみえたから、つい

『おじさん。おばさんのこと好き?』

と聞いた。

おじさんはそんなわたしの突然の問いかけに、驚くこともしないで

『みかんちゃんのパパも、ママのこと好きだろう?』

と言うから、

『ママは好きかもしれないけどね。パパはわかんない、わたしのことも』

と言ったら。

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