蜜愛
手首を無理矢理掴まれたら。
シンはあたしの手のひらをぐっと自分の鼻先に近づけて、
臭いを嗅いだ。
『くせぇ。くせぇんだよ。この手が……あぁ?これなんのニオイだよ?あいつの汚ねぇ先からでた……』
『やっめてよ!!』
あたしはシンの言葉を遮って、
手を振りほどく。
見たことも
聞いたこともない
彼の表情、声。
『俺を……バカにしやがって!!』
大きな声で怒鳴り、もう一度あたしの手首をとると、
『洗え……洗えよ……きたねぇな。海で洗えよ』
そう言って、あたしを引きずりながら海に入っていく。