蜜愛


――静か。

本当に静か。


水の中に全てが浸かってしまって

もがくのを止めると。


水の中は無音だった。



あたしの呼吸も聞こえない。


頭上の

シンの声も届かない。


ただ。


青という青に抱かれて、

本当は

ただの灰色の海とも気づかずに、


あたしは


二人の“セイタ”を

抱きしめた。



   ラ

 っ


    て




    く






  そして



 涙




   理性 


孤独

   
  



    罰




 た
  し
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