蜜愛

彼は頭を振って起きると、

本当にプーさんみたいな開かない目をして私をボンヤリ見つめて

だまぁって

いるから。


仕方なく私はその手をとって、導く。

彼はそのまま私の蜜を確認すると。


またムクムクとやる気を見せ始めるもう一つの自分と格闘を始めるから


私は、
そっと耳元で




『もう、時間』



それだけ言ったら、
彼の甘えたようなもう少しという羽交い締めから逃げて



シャワーに向かう。


私が見ていないから。

きっと彼はこっそり味を確かめるのかもしれないな。

それは、舌とは限らない。

目かもしれないし、匂いかもしれないし。

親指と中指をすりあわせて、遊んでいるかもしれないな。


私はそんなことを想像しながら一人で浴びるシャワーが大好きだ。


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