蜜愛

調書をとり終わり、セイタくんを連れて街に戻った。

その間、車内は沈黙に包まれ、オレはイチコの顔をみることができずにいた。


タマコの母親にオレ達からやっと連絡がついて、セイタくんを送り届けた。


『……あなたが、セイタさんなのね』


髪に散らばる白髪を染めることもなくひっつめて、目元のつり上がったタマコの母は、

やつれた顔でオレを感慨深げに見て、そう言った。

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