蜜愛
もう、母さんが家庭から捨てられてしまってはいけない。

たとえ今、母さんが家庭を捨てているような行為をしていたとしても。

私はまた、パパを無くすなんて、もう嫌。


私は母さんの秘密が暴かれることを、カラダで口止めして守るという表づらの理由の陰に

私は私なりに描く家庭像を守りたかった。


みんなで囲む食卓を幸せだと感じるこれからを。

私が結婚して

子供ができて

旦那さまと一緒に

おじいちゃんおばあちゃんの家に遊びにきて

孫を膝にいれる父

お茶をいれる母


なんか、どうしてこんな先まで考えてるんだろ。


きっとそれは。

海のあの日、当たり前にこれからも楽しい毎日が続いて

来年も再来年もきっと海にこれる

そんな風に思い込んでいたから。
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