蜜愛
『蜜柑も、大輔くんも……父親は同じ、匡哉なのよ、本当に……ああ、もうどうしたらいいの…』

と、泣きじゃくる母を見て。


私は限界、だった。
母さんに裏切られる限界。



どういうこと?




ーーパパは、パパじゃなかったから、私と手を繋がなかった?



ーー私は、実の兄と。

そうと知らずに何度も……??







いつか、海で砂まみれの私を振りほどいた母さんのように。

私は、母さんの腕を払った。


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