蜜愛
兄さんは、気が動転してどうにかなってしまいそうな母さんを見てせせら笑い、拍子抜けしたように

『兄弟ったって。血も繋がらない赤の他人です。オレにとっては妹と呼ぶ前に、 オ ン ナ、ですよ、ふつーに』


そうベッドに仰向けにひっくり返る兄に、母さんは近づいていって、思い切りビンタした。


だけどその後すぐに。


『私が、悪い……のよ。大輔くん。私のせいだわ。蜜柑、ゴメンね、蜜柑ごめんなさいママこんなんで…』

と、泣き崩れて私の頭を抱きかかえた。


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