蜜愛
置き手紙を残して、僕が向かう先、それはとりあえず決まっていた。


図書館で本を読み、インターネットカフェで時間をつぶし。
夕方には河原についた。

よくこのルートを回ってた僕は、

『しばらく帰らない』

という言葉を残したわりに変わり映えしないこの冒険に、冷静になんとなく時間が過ぎていくのを感じた。


家に、『母』というものが存在しなかった僕ら親子は、

晩御飯の時間もまちまちだった。

中学生になり、高校に入学し、

段々と一緒に食べる機会は減っていったっけ。

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