蜜愛
『おかしいなぁ…たしか、そこにあるって前、母さんが言ってたような…』


初めから、布団なんて別にひく気はさらさらなかった。

だけど彼は困ったように布団の入っていない押し入れにむかって、

『僕、床でも椅子でもどこでも寝れるからいいんです、はい』

と、そんな面白くもないのにケラケラ笑った。


……寝るだけなら。

兄さんの部屋に布団はあるし。

だけど、別々に寝る気はなかったから。

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