蜜愛
『風邪ひかせてしまったら悪いから…あの……嫌じゃなかったら。隣で寝ますか』

私はベッドに座ったまま、手を伸ばし彼を探した。

すると彼は、その手をとって。

『僕、あの、そんなつもりじゃないです。本当に…』

と。言いながら隣に腰かけた。


『晴汰さん』

『はい!』

『電気。消して下さい』

『いや。あの、ほんとそんな…今日は明るいまま寝ませ…』

『わたし、今も見えてないから同じなの』


煮えきらない彼を遮って、でも弱々しくそう言うと

晴汰は、あ…と短く言ったら黙って証明を落とす、パチンというスイッチの音がした。

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