蜜愛
『ゴム、ないけど…』

『いいよ、そのままで』


かわいいなあ。
セオリー通り。

暗くてなかなか上手くいかないとごまかす彼を、

そっと入口まで、いざなう。


『うん、そう。真っ直ぐ奥まで』


ーー痛っ。痛い。

わたしは自分がほんとに処女だったのかなぁなんて、ぼんやり考えた。


ちょっとだけ痛がるわたしに気を使って、ゆっくり動きながら。


ーー俺も、初めてだったから。


やっと自白したな??

わたしは嬉しくなって、


『そっか、…あ、…じゃ、…あ、今日は……あ、あ、記念日だ…ね…』



そんなことを言ったら、

あとはセイタの名前を呼び続けた。

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