蜜愛
刹那の迷いとはウラハラに、唇はもうしっかりとスプーンをくわえて、会話が弾んでる。

『誰モ、シラナイ』


わかってる。

誰も気づいていないね、

この十年の年月を。

私たちの

肌を

心を

環境を

娘を

息子を

名字を

名前を

変えた


私たちの、時間。

知らないからこんなにあなたを見つめるんじゃない。

アキラ……

あなたを呼んでいたのね。

きっとずっと。


あの日飲み込んだ指輪、が。

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