蜜愛
わかってる。
彼を道具にしてた。
彼にも感情があって、それが、日に日に私への愛情に変わってきて。
息子さん、いるみたいだけど。
こうしてる間、そのコはきっと、誰に見てもらっていても、一人。
彼も犠牲を払って私と会っている。
だからこそ、カラダの快感で御礼ができるなら、ギブアンドテイクが成り立つはず。
だった、けど。
いつからか、彼の瞳は、私への想いでいっぱいになって、私以外映していなかった。
それが、もう。
怖かった。
彼の気持ちに応えられる方法は、
別れるしか、ない。
それが一番、傷を深めなくて済む。
私のちっぽけな、良心。