蜜愛

あの、ヒトの良さそうな笑顔。

エッチの時だけ『オマエ』って言っちゃう気の小ささ。

年齢より可愛くみえる、イイ人だった。

だけど。

……私の演技が完璧すぎて。


彼には、見破れなかった。

私が、ただ、今。

この一瞬の快楽と、それとともに放出されるあなたの遺伝子に。

あなたの全て、価値を見出だしているということに。


それさえ、もっと早く気付いていてくれたら。



私たち、終わらなかったのに。


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