world end

四涙

洞窟を出ると、辺りは闇に覆われていた。
星ひとつとしてない。
闇が世界を支配していた。
私はテスランドへ向け、歩み始めた。
暗い森を抜け、ひたすら歩く。
遠くにテスランドが見えた時には日が昇り始めていた。

ファロロは町の入り口で膝を抱えうずくまっていた。
「ファロロ、帰るぞ」
言うと彼女は面をあげた。
ひどい顔だ。
それが率直な意見だった。
泣き明かしたのだろう。
容易に想像できる。
「フォルセ主兵長…」
「ファロロ、今はトドィスに帰るぞ。やらなければならない事ができた」
「私、どうしたらいいんですか?」
彼女は涙を流しながら言った。
「もし、ファロロに出来る事があるとしたら、埋葬か復讐かのどちらかだ。…私は復讐の道を選んだ。だが強要はしない。好きな道を選べ」
沈黙。
ファロロは悩んでいた。
分からないのだろう。
自分がどうしたいのか。
家族が私に何を望むのかが…。
「ファロロ、今は動け。トドィスに帰ってからでも時間はある」
私は彼女を促した。
ファロロはゆるりと立ち上がった。
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