ケータイ
思い切ってレイジを呼び出した。
レナはレイジと話をしたいと思った。
自分のすべき事がわからない。
でもだからと言って止まれない。
レイジは珍しくスーツで待ち合わせにきた。
細身の身体によく似合う、タイトなスーツ。
「…どしたの、それ?」
「ま、ちょっと」
「ホストでもしてる?」
「…ご想像にお任せ。で、今日は何?」
レナはレイジをしっかり見つめた。
吸い込まれそうな目にちょっと揺らぐ。
「実は、レイジとちゃんと話をしたいと思って…」
「話?」
「私達、サイトで知り合って何にも知らなくて、なのにレイジは協力してくれている」
「…」
「…でも今はちょっと計画も進んでないし、飽きてきてるでしょう。私もこのまま忘れてしまった方が楽かな、とか、考える」
レイジはジッと見つめている。何かを探るような鋭い視線。