ケータイ


「ご馳走様でした」
丁寧にお辞儀。
アキはちょっと酔っているようで、小さく鼻歌を歌っている。

さりげなく手を繋ぐ。
アキも軽く握る。

何も話さずに歩く。

いつしかアキの鼻歌も消え、二人におかしな空気が流れる。

レイジは立ち止まる。
アキは振り返る。


アキにキスをした。

アキも黙ってレイジに抱きつく。


「抱いていい?」


小さくうなずいた。
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