-雪女郎- 千寿
「自信があったのに、この様さ。一回会っただけで、正体まで見破られた。」








安江は気弱に笑った。









「もう一つ、私に言いたいことがあるのだろう?」









「・・・千寿から身を引いて頂きたい。ここ、美楼閣からも。」









「嫌だと言ったら?」









「無理にでも。」









「世を騒がせる吉原一の一級花魁雪洞ならば可能というところか。」




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