愛すべき君へ
「嘘...だろ?」
僕は目を離すことが
できないでいた。
「真璃南と雅が...?」
力が抜けて腰が
床へと引き込まれる。
「ありえない」
僕はどうすることも
できないでいたんだ。
「まりな...っ」
俺を好きって
言ったのも
あの笑顔も
全部偽りだったの?
お前は雅の
元へと行ってしまうの?―
「あっ..だめ雅..叶が...」
真璃南が抵抗するのを
押し切るように雅は
「俺だけ見ろよ」
そう言って続けた。