君の顔


あたしは覚えてる。


馬鹿みたいに、たくさんの桜の花びらを頭にのせた君の後姿。


雨の日、あたしに貸してくれたビニール傘。

びしょ濡れになりながら走る君の背中。


暑い夏、汗ばんだ君の手の感触。

見上げた、逆光で浮かび上がる君のシルエット。



あたしは、君の顔を思い出せない。



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