君の顔


あたしは更に急になった坂に負けまいと立ちこぎを始める。


沿道の木々はこの辺りから姿を消して、あたしは真夏の日差しをもろに浴びる。


立ちこぎ、そして日陰を失ったあたしからは汗がさらに噴きだす。


君が隣にいた頃は、それが嫌で自転車を降りて歩いた。


その方が沢山話せるし。



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