君の顔



どうして、あたしに何も残していかなかったの?



何かを残されたって、邪魔なだけかと思ったけれど。



振り返ってみれば、あたしはただ手持ち無沙汰。

手にとって眺めることの出来る思い出すら、一瞬を映した鏡。



せめて、君との思い出がもっとあれば。



それを彩るものが、君の姿で、君の声なら。





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