流れ星
−−さかのぼる事、2年前−−
ミーンミーンミーン
蒸し暑い夏の日
蝉がけたたましく鳴り響く中
私は週に1度
おばあちゃんのいる
病院へ遊びに行く。
今日も同じように
電車を乗り継いで
長〜い一本道を通る。
「おばあちゃん!」
「由美。来てくれたんね!」
「うん!今日はね、おばあちゃんの大好きな林檎を買ってきたんだよ。一緒に食べよう。」
「あらまぁ、嬉しい!ありがとうね〜。」
おばあちゃんが
何の病気で
入院しているかなんて
私は知らない。
親は私に一言も言わない
だから敢えて私も言わない。
「もう歳だからね・・・」
大人は口を揃えて言う。
“歳だから・・・”
その言葉が
何だか・・さみしい・・・