√番外編作品集
南都美の声も、敦ちゃんの声も無視して
店から出た。
外にいた黒沢と山岡ちゃんを見て、足を止めた。
「謝ったか?」
黒沢の言葉に、俺は答えを返せない。
「俺、分かったよ」
「何が?、北川は女神だったか?」
「や、そうじゃない。南都美はスキだけど、俺が女神にたどり着けない本当の理由。俺がお手つきをやめられないのも」
思わず自分を軽蔑して笑った。
「黒沢は俺を淡泊だって言っただろ、それだけじゃないんだよ。そもそも、人を好きになれないんだよ、全部が全部遊びでそれ以上は無理なだけ。それなら納得できるだろ?」
自分は愛されるべきで、そういう存在が見つかるって
思いこみたいだけなんだ。
「……なんか、言われた?」
黒沢が立ち上がると、山岡ちゃんも俺に視線を投げた。
「そこを越えれば、次の条件だろ?」
人を信じろよ、と俺には聞こえた。
お前に言われたくはないけど。
「ダメだ、越えらんない。越えられないから、南都美は女神じゃない。スキだけど違う」