狂者の正しい愛し方
開け放たれた部屋に、晴姫を連れていく。
中は、俺の思った通りだった。
散乱する衣類や刃物。
壁紙もあちこちが破け、視線を上げれば電気傘も見事に割れている。
荒れた室内。
晴姫がこれまで、一人で孤独を耐えてきた証。
涙が、込み上げてきた。
部屋の隅で割れている鏡の、大きな一枚の破片を手に取る。
「……佐薙さん、私、私、何したん、でしょう……?」
「落ち着け、晴姫、ほら、俺を見て。」
優しく語りかければ、晴姫は素直に顔を上げる。
不安、なんだろうな。
晴姫はまだ、心の中に理性が生きているんだ。
……邪魔以外の、何物でもないものが。