キス屋

「...ところで君、
 西陵高校だよね?」



「あ、はい...」



「そっか。じゃあ、 
 頭いいんだ?」



西陵高校は確かに
市内で二番目に良い所だ。



「あ、いや...まあ」



受け答えがヘタクソなあたしは
この人がどんなに話題を
ふってくれても、
すぐに会話は途切れてしまった。


なので申し訳ない様な気がした。


「家、どこ?怖いでしょ?
もう結構暗いし、
少し送っていこうか?」



「あ、いえ、大丈夫です。
あの...色々とありがとう
ございました、助かりました。

お礼に何か...」



助けてくれた恩人とは言え、
この人も初対面なのだ。


少しちゃらそうだし、
この人も悪いが信用は出来ない。



「お礼?そんなの良いって。
 あ、じゃあ...良ければココ来て!」



すると、この人は
ポケットを探り、紙を出した。
< 9 / 35 >

この作品をシェア

pagetop