キス屋

「?何ですか、これ」


黄色の安っぽい紙。


広告なのか知らないけど、
黒い字でいっぱい文字が
書かれてた。



「俺の働いてるところ。
 高校生からなら大丈夫だから、
 暇になったら来てよ」


カフェか何かかな、
そう思うと


「あ、来た時には
『リョウスケ』を指名してね」


じゃあ、と言って
その人は知らない駅で
降りてしまった。


....指名、って何?


広告をじっくり読むと、
まず店名が怪しい。



『キス屋』



どうも、やらしい店しか
想像できなかった。



営業時間も夜の時間だし、
一体なんなんだろ?



広告の説明を見ても
よく分からない。



キス屋の地図が
細かく、書かれていた。


どうやら今あの人が
降りた駅のすぐ傍らしい。



...





キス屋、かあ。




その日から、あたしの
なにかが変わっていった。



/
< 10 / 35 >

この作品をシェア

pagetop