アルタイル*キミと見上げた空【完】

「はい!」



隣の凛子なんて、ギャラリーの女の子の方をちらっと見てから



コーチに返事をするもんだから・・・・・・ほら、にらまれてるし。



私はそんなことなんて全然気にしていない様子の凛子の後について栗原コーチの元へ駆け寄った。


あ、この顔・・・。


多分・・・注意、される?


「今度の練習試合、相手校に連絡してくれた?」


「は~い!」


元気よく凛子が手を挙げた。


ぎりぎりと上から歯軋りが聞こえてくるよう・・・。



「そう。ありがとう・・・それと・・・」


コーチの顔がこちらを向く。


来た~~~!


「練習中あんまりボーっとしないこと!今けがしてて不安がってる奴も多いから気を配ってやってくれると助かる」



「はい・・・」



そう言うと栗原コーチはにこっと笑って私の頭をぽんと叩いた。



「じゃ、おつかれ」



ドキンッ。


胸がひとはねした。





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