アルタイル*キミと見上げた空【完】
お祭りの時の、あのニヤニヤとした笑顔が思い出されて、嫌な鼓動が耳の奥で聞こえた。
嫌な・・・・予感がする。
「ハハハ、そんな怖がらなくてもいいよ。別に汐ちゃんに恨みがあるわけじゃないしさ」
「え・・・・?」
「ま、興味があったらさ、本屋行ってみてよ。面白いもんがみれるかもしれないよ」
「は?」
電話の向こうの男はくすくすと笑いながら、もう一言付け加えた。
「修也・・・・あいつとは早めに別れたほうがいいよ、なーんてね」
「ちょっとっ・・・・!!まって!!」
プープープー・・・・。
切られた通話音に、その手を下ろすと、細かく体が震えてくるのがわかった。
何を、言ってるの?