アルタイル*キミと見上げた空【完】

中学もバスケを続けて、希望いっぱいでこの高校にきた私だったけど…。



「入学してすぐに腰を痛めちゃって……えへ。間抜けだよね……」



なんのためにこの高校を選んだのか全く意味がない、ってひどくふさぎこんでいたあの頃。



「けど、凛やトモ達に会って、自分がプレイするだけじゃなくて、人のサポートするっていうのもすごく、なんていうか、自分に向いてるんじゃないかな、って思えたんだ」



ざっと足を止めると、



もう目の先の海岸に、相変わらずふざけあってるクラブの皆が見えた。



自然と口が緩む。



そのまま、なんとなく聞いた言葉。



「凱はなんで今こっちに戻ってきたの?」



それが凱の表情を固くさせたのを、のんきな私は気がつかなかった。









< 99 / 640 >

この作品をシェア

pagetop