そぉ~~~~っと
部屋から出る



キッチンに置いてあるバスケットを持って



てっちゃんに気付かれないように家を出ないと



下にいる伊織くんを見せろと
騒ぐに違いない………



てっちゃんは自分の部屋にいるみたいで


安心して静かに家を出た




……………けど!




階段を降りて郵便受けが並ぶ
マンションのエントランス



てっちゃんが立っている



「なっ……何でいるの~!?」



私が叫ぶと



「静かにしろ、ば~か
男、迎えに来るんだろ?
ちゃんと隠れてるから見せろよ」




てっちゃんの笑顔にクラッとくる



伊織くんは見せ物じゃないし…




「やだ、帰ってよ!」



てっちゃんの腕を引っ張るけど



「オレが弁当作ってやったんだから見せろよ」



158cm49kgの私が



189cm80kgのてっちゃんを動かせるはずもなく………




「もう……絶対、隠れて見てよ?」



私の言葉にニヤリと笑って



「OK」


手でOKの形を作った


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