空
「お先に失礼します!」
PM10:08
バイトを終えて店の外に出る
バッグから空羽のケータイを取り出して
アドレスから伊織くんの番号を選び発信のボタンを押そうとして
ふと目に入った
駐車場の奥
黒いbBに寄りかかり夜空を見上げてタバコを吸ってる伊織くんがいた
「………伊織くん」
私の声に気がついて
夜空からこっちに視線を移す
「お疲れ様」
ケータイ灰皿にタバコを捨てて
「ごめん」
そう言って手を振り煙を散らした
「伊織くんってタバコ吸うんだ?」
私は伊織くんに近づきながら訊いた
「吸わない人の前では吸わないようにしてるから」
………ふ~ん
でもタバコ吸う伊織くん
めちゃくちゃカッコ良かった…
「じゃ、行こうか?」
伊織くんの声にハッとする
ときめいてる場合じゃないよ私
………絶対、今日で最後だ
伊織くんと逢えるのは………