今日も、恋する電車。
 鈴をころがしたような可憐な声が、茜を鋭く貫く。


振り向くと、一言も会話を交わしたことないワンピースの少女が、茜の後ろで走っていた。

ゆったりとした足の運びにも関わらず、少女は茜を追い抜かした。

茜は、足に力をいれ、慌ててペースをあげたが、どんどん少女との距離はひらく一方だった。

走っても、走ってもおいつかない。いや、前にすすめてないのだ。茜は歯をくいしばる。涙を流しながら、真っ暗になっていく闇の中、一人走り続けた。

ジリリリリ・・・・・・。

けたたましい目覚ましの音に、茜は慌てて飛び起きた。


じっとりと全身汗ばんでいる。体がやけに重い。


「いやな夢…」


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