今日も、恋する電車。
何もできないまま、数日が過ぎた。茜は、今日も校庭のトラックを駆ける。
毎日のように走りこんでいるが、ここ一ヶ月ほどタイムが伸び悩んでいた。
それはちょうど、茜と保がワンピースの少女と会った時からである。茜は顧問のアドバイス通りにスピードをあげようとするが、なかなか思い通りにならない。
それどころか、タイムが時折落ちるようになり、代表からはずされた先輩から野次られることもあった。茜はそんな声を黙殺して、ただただ走る。
顧問はそんな周りの様子に構わずただ自分を信じて走れと茜に伝えた。今の茜にとって、それはとても難しく感じた。
大会前日。
晴れ続きだった空が、めずらしく曇っていた。いつも見えてくる、しろいひかりは鳴りを潜め、灰色の雲がひろがっている。
明日は晴れるといいなと願いながら、茜は電車にのっていた。いつものように茜は保と同じシートにすわる。
「ねぇ、水島。なんでサッカー部にはいったの?」