今日も、恋する電車。
周りの歓声が、あぁという嘆息と悲鳴にかわる。

じんじんと足がしびれ、呼吸がうまくできない。転んだ拍子に数人の選手が茜を追い抜いていった。痛い。痛い。苦しい、苦しいよ。

体中が悲鳴をあげる。でも嫌。このまま終わるのは嫌。もう、置いてかれるのも、あきらめるのも絶対嫌。

茜は痛みをこらえ、震える足をぴしゃりと叩くと、たちあがった。


何度が落ち着いて、呼吸を整えるとまた走り始めた。先ほどと違い、速度もあがらない。

怪我した箇所もまだじくじくとうずく。

それでも茜は懸命に地面を蹴り、走る。




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