7年目の浮気
地下鉄を乗り継いで会場へ向かう。

休日の昼下がりとあって、道中はカップルに溢れていた。

芳雄はあれから何の連絡もくれない。

携帯を開いて、芳雄にメールをしてみようか迷う。

何と言っていいかわからない。


さほど遠くない最寄駅へ、地下鉄はあっと言う間に茉莉花を運んだ。

メトロはタイムスリップのようだ。

毎日乗っていても、時折そう思う。

歩いたら30分かかる場所へ、5分程で到着してしまう。


地下鉄を降り、少し歩くと会場へ着いた。

はじめて向かうので迷うかと思ったが、会場へ向かっていると思われる人達に紛れて辿り着いた。


時間をみると、予定より結構早く着いてしまった。

どうしようか。

周りを見渡していると、会場内にあるカフェが目に付いた。


「・・・あ。」
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