7年目の浮気
カフェの中で、加藤が立ち上がってこちらを見ていた。

茉莉花が中に入っていくと、加藤は驚いた顔をしていた。


「篠原さん、来てくれたんだ・・・。」

「あ、うん・・・。」

「何か飲む?」

「じゃあ、コーヒーを。」


注文を終えると、加藤はほっとした表情をした。


「篠原さん、こういうの聴きに来ることある?」

「はじめてよ。だから普通の恰好でいいのか、迷っちゃった。」

「そんな堅苦しい演奏会じゃないよ。」


加藤が演目を差し出した。


「大学の先輩が、社会人チームでやってるんだ。
ほんとのプロじゃないから、面白いかわかんないけど。」


茉莉花は思いの外楽しみになってきた。

元々音楽は嫌いじゃない。

そこまで詳しくはないけれど。
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